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諸鍬神社

式内諸鍬(もろくはの)神社は、現在、愛知県愛西市諸桑町にある「諸鍬神社」と比定されている。

「諸鍬」は地名で、「鍬」は、「桑」の借字とされている。

江戸時代は「白山社」と称した。


【所在】

愛知県愛西市諸桑町郷城74に鎮座する。

諸桑村は、東は日光川に、西は、古川村から津島市に接する。

天保9年(1838)閏4月に、諸桑村の満成寺裏の田んぼから楠と思われる古代の刳り船一艘が発掘されたという記録がある。

現在、、諸鍬神社の東側に接して「千手院」があるが、本来、諸鍬神社は千手院の境内にあったが、明治の神仏分離で区分された。


【祭神】

祭神は現在は、天諸羽命(あまのもろはのみこと)とする。

いろいろ異説はあるようだが、社名中の「鍬」を「桑」の借字としての前提で、養蚕の神として信仰されている。

対馬国、天諸羽命神社と同神としする説もあり、永留久恵著「海神と天神、対馬の風土と神々」によれば、現在対馬には天諸羽命神社は3社あり、「天諸羽命は卜部の祖神か」と推定していて、養蚕とは関係がないようにも思われる。

なぜ、祭神が「天諸羽命」となったのかは疑問が残る。

【社殿】


社殿は、南向きに建つ。

拝殿、祭文殿、本殿と続き、これらは大正4年に造営された。

本殿は流造りで、千木・鰹木はない。。


屋根瓦などに「神紋」はない。

拝殿は、オープンな造りで、正面右上に、簾で前面を隠された、小さな神棚がある。

 

祭文殿の正面に、明治百年記念の「以和為貴」の額が掛かっている。

 

【参拝記】

2011年11月13日、実家の名古屋市西区栄生から、自転車で神社巡りをした。

前日に、自転車を買い替えて、3段変速のママチャリだが、快適にサイクリングができた。

この日は、栄生から庄内川を越えて佐屋街道を西へ走り、まずは「憶感神社(おかむじんじゃ)」に寄り、さらに西へ走り、日光川を渡って北へ少し行った諸鍬の集落の中に、千手寺と接して、「諸鍬神社」があった。


社殿に向かって右側に、このあたりに塩田があったのだろうか、「塩田龍神社」が祀られている。


境内社は、社名は分からないが、もう一社あった。